【好きなシーン】
ジリアン:例の"一線"のこと覚えてる?私たちは隠しておきたい秘密も見えてしまうから、一線は引きましょうって。そこは守しっかりらないと。それがお互いのためだと思うから。…おやすみなさい。
カル:おやすみ。
FBIやCIAとのやり取りがかっこいい。今回はコメディー部分はなく、硬派な回。
ローカーが無給の研究生に格下げ。ジリアンへの愛ゆえに(?)要らぬ詮索してしまうカルにジリアンからけじめの一言。悲しいなあカル。捻くれ者なのに一途なのか。
本編と全然関係ありませんが、カルのデスクにティム家の愛犬Frank(パグ犬)らしき写真が登場。カルの家では犬を飼ってないのに何の脈絡もなく犬の写真が置いてある謎(笑)。主演ドラマを使っての内輪ネタの遊びがかわいい。
【シーズン1/エピソード10】
・放火事件の容疑者として人気TVレポーターに疑いが。目撃者は子供で信憑性が疑われたが、嘘をついている様子はない。容疑を否認するTVレポーターにも嘘をついている様子はない。しかし、調査のなかで容疑者と被害にあった女性とは浮気関係にあったことが分かって…。
・ヒップホップのミキシング・エンジニアが何者かに射殺される。彼と幼馴染みでライバル関係にあったラッパーが容疑者とされたが、彼からは後悔と悲しみの表情が見えて…。
【好きなシーン】
ジリアン:ゾーイと組んでみてどうだった?
カル:やってみてよかった。
ジリアン:そう
カル:ロジャーにプロポーズされたそうだ
ジリアン:平気?
カル:寂しくなるよ、喧嘩できなくて
ジリアン:本当?
カル:(笑)いま伝えたらまずいよな
ジリアン:やめた方がいい
この回も好き。カルの元妻ゾーイがついに登場。2人のテンポのいい掛け合いやチクチク嫌味を入れてくるのが面白いし、そこにジリアンやエミリーも加わってややこしい感じがなんとも言えない(笑)。カルの離婚原因も判明。カルは奥さんに出て行かれたんですね。妻の微表情を見過ごせないカルが、彼女を信用できず、一切の秘密や疑念を認めないカルに嫌気が差したようです。でもカルは妻が出て行ったことに今も傷ついているらしく、ゾーイと言い争った後のカルの表情が子犬みたい。ゾーイが家を出ていったあと1カ月同じシャツを着てたって、どんだけショックを受けたんだ。それでもカルにはまだ未練があるようで、ジリアンは一緒に仕事をしちゃダメだと忠告しますが、カルは依頼を引き受け、ゾーイになんとなく期待している節も。結局ゾーイに弄ばれた感じもありますが、それでもいいらしい。
『フォー・ルームス』以来の共演となるジェニファー・ビールスとのコンビネーションはさすが。ティムはやっぱり背の高い知的な美女が好きなのか。嫌味を言われた後のちょっとしたリアクションとか、言い争った後のぎこちないやりとりとか、細かい演技まで息ぴったり。
ここでも子供とのやり取りがかわいい。狼少年の話で問い詰めたり、空想の友達がいると思わせたりして、子供に本気で変な人呼ばわりされます。確かに変な人です。
それと、仕事終わりにカメラの本を読んでるシーンがありますが、あれは私物なんでは?カルがカメラ好きなことなんて今まで一切出てこなかったのに、クラシックなカメラの歴史を熱心に読みふける。カメラ好き俳優め。見どころたくさんです。
【シーズン1/エピソード9】
・建設現場で爆発崩落事故が発生し、作業員3人が閉じ込められてしまう。関係者たちの証言から救出方法と事故原因を探るうち、作業員の1人が多発性硬化症を隠して作業をし事故となったことを突き止める。事故原因はそれだけに思えたが…。
・新進気鋭のIT社長から、婚約者の愛が金目当てでなく本物かどうか探ってほしいと依頼される。有名な社長だとは知らずに付き合い始めたという婚約者の話は嘘であることが分かったが…。
【好きなシーン】
ジリアン:もし市長が本当のことを言ってたら。もしブラントが病気のことを隠さなかったら。事故は起こらなかったはず。もし嘘が重ならなかったら…
カル:それが世の中だ
カルがジリアンにビンタされます。捜査対象者の表情の変化を見るためだそうですが、カルはジリアンを怒らせるのが好きみたい(笑)。
【シーズン1/エピソード8】
・インド人の姉妹が立て続けに自殺した。自殺の原因を調べるうちに、自殺者たちは皆最近出産していることが分かり…。
・集めた資金で巨額の損失を出した株式ディーラーが、資産を隠し持っている疑いを調査する。彼は資産隠しを否定するが、娘は何かを知っているように見えて…。
【好きなシーン】
エミリー:ママと別れてから女の人とデートしたことある?
カル:大きなお世話だ
エミリー:過去に捕らわれずゆっくりでも前に進むべきだって言ってるの
カル:何の受け売りだ?
エミリー:オプラ(テレビ番組)よ
エミリー:てっきり帰ってくるかと思ってた
カル:仕事が山積みでね
エミリー:抱えてないで家族に打ち明けなよ
カル:またオプラ(テレビ番組)か?
エミリー:そうかも
エミリー:ここで何してるの?
カル:お前の日記を読んでた
エミリー:日記つけてないもん
カル:見せたいものがある
エミリー:何これ?これ、おばあちゃん?
カル:そうだ
エミリー:これ見せるの初めてだね
カル:お前に話しておくことがある…
好きな回です。昔のフィルムを見る寂しげなティムや自殺の原因を突き止めようとするあまりむきになるティムが見れる。なかなか進展しない状況に業を煮やして、ジリアンにつれなくする身勝手なカルがすごいかっこいいんですが(笑)。大嘘をついて犯人を捕まえた後のとぼけた表情もたまらない(女性刑事も呆れ顔)。エミリーも素敵な助言を連発。
そして、ローカー。やってくれましたね。上司の指示を無視し単独行動をして窮地に。
【シーズン1/エピソード7】
・イエメンで拘束されたアメリカ人姉弟の解放交渉で、イエメン側の本心を探ることに。依頼主の国務省は、姉の解放を優先させようとしているようで…。
・新薬の製法が盗まれ、出回った偽造薬による被害が発生。製法を盗み出した化学者を特定したが、新薬自体が実は危険な薬だと訴える。依頼主の製薬会社はその事実を否定するが…。
【好きなシーン】
カル:仲間だろうと立ち入れないことはある。人に触れられたくないこともあるんだ
リア:友人なのに
カル:この職場では、どんなことに気づいても立ち入らないルールがあるんだ。もし彼女(ジリアン)が話したければ、そうする。だから何かに気づいても、放っておくんだ。彼女自身が解決すると信じて
リア:信じることに目覚めたんですか?
カルの友情を描いた回。オックスフォード大学時代の親友で製薬コンサルの仕事をしているアメリカ人・ジェフリーが登場。意外にも友人想いのカル。一匹狼ぽいのに。学生時代は、やっぱり嘘つきで、ポーカーで大金を稼いでいたらしい。これはいかにも。
マリオ・バルガス=リョサ 「都会と犬ども」 ☆☆☆☆☆
2010年にノーベル賞を受賞したペルー人作家の1963年の作品。
ガルシア=マルケス関連で名前を知り、面白そうなので読んでみた。長編ですが、読みやすくて、ブコウスキー(「くそったれ!少年時代」)やサリンジャー(「ライ麦畑でつかまえて」)に似た雰囲気の小説。
首都リマの士官学校を舞台に、理不尽な暴力や同級生の連帯、初恋、裏切りを通して逞しく成長していく少年たちを描いた物語。
まさに青春小説の典型のような話なんですが、爽やかな話というよりは、血気盛んな不良たちの野蛮で卑猥で騒がしい日々が描かれ、そのタフで男臭い世界観が特徴的。ある意味で少年院のような特殊な世界。
その中で、腕力にものを言わせて仲間たちを率いる少年「ジャガー」、臆病で軟弱なため同級生からもいじめられる少年「奴隷」、彼の唯一の友人で文才があり賢い少年「詩人」などさまざまな人物が登場し、彼らの生い立ちも描かれることで人物像がより鮮明に浮かび上がる。特に「奴隷」のやるせなさが半端なくて胸を締め付けれる。一番好きなキャラクター。
腕力と要領の良さがものを言う弱肉強食の閉鎖的な社会での残酷さ、友を想う高潔さと周囲への失望、若者たちの繊細な感情に無配慮すぎた大人たちの欺瞞、入学前の少年たちが持っていた純真さと瑞々しさに心揺さぶられます。
そして、過酷で濃密だった士官学校の記憶が、時とともに色褪せしまうという儚さも切ない。
腕力にものを言わせ、相手を屈服させるジャガーのようには決してなりえなかったし、自分が餌食にされないためにたくみに振る舞い、相手を煙に巻くアルベルトのようにもなれないことは確実だった。彼がどんな人間なのか、周囲の連中はたちどころに嗅ぎつけるのだった。無防備でひ弱で奴隷のような人間であることは一目瞭然だった。今はただ自由が欲しかった。自分の孤独と好きなだけ向きあいたかった。(p133)
今は奴隷の気持ちがわかってきました。彼にとってぼくらは、仲間ではなしに、敵だったんだんです。(p382)
君は無意味な攻撃とはどういうものか知っているか?敵が武器を捨てて、降参したとき、責任感のある戦闘員なら、相手を撃つことはしない。倫理上の理由ばかりではない、軍事的な観点からも、つまり無駄なことだから、撃たない。戦場においてすら、無意味な死者を出してはならないんだ。私の言いたいことはわかるね?(p383)